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電気から磁気を作る実験

3極モーターへの進化

 ファラデーが発明した単極モーターを回転させるには、大きな電流を流す必要があり、その性能は決して良いものではありませんでした。

 現在、私たちが使うモーターには、性能を上げるための様々な工夫が加えられています。その工夫の例を見てみましょう。

 下の図は、直流モーターの一種「3極モーター」が動く様子を模式図で示したものです。
 ここでいう「3極」とは、回転子の鉄芯に現れる3つの磁極を指します。

整流子のはたらきによって、スリットが接点を通過するたびに磁極が入れ替わる。  

整流子のはたらきによって電流の向きが切り替わることにより、3つの極はめまぐるしく入れ替わります。

 左の図では、スリット(整流子のすきま)をまたぐように取り付けられたコイルに流れる電流の向きが、変化していることに注目してください。

回転子の極性はブラシの接点で区切られた上半分がN極に、下半分がS極になる。
 

ここで、回転子の複雑な動きを整理するために、回転を上半分と下半分に分けて見てみましょう。

 すると、円周の上半分を回転中の極はいつもN極に、下半分を回転中の極はいつもS極になることがわかります。

固定子(両側の永久磁石)との間にはたらく磁力によって、回転子は絶えず回転する力を受けることになる。  

この回転子を左右からはさむように、固定子(永久磁石)が取り付けられています。

 固定子のN極とS極は、回転子の磁極と反発したり引き合ったりして、つねに時計回りに回転させる力を生み出します。

 このように、3極モーターには、効率よく回転が得られるための工夫が多く見られます。