比 熱
(熱の基本押さえよう)
比熱について
熱容量が、質量に比例して大きくなることは分かりました。では、それ以外の何かに左右されることはないのでしょうか。
私たちは、次のような経験をもっているはずです。質量や体積が同じでも物質が違えば、同じように温まる速さに差がでることです。たとえば、スチールと陶器の場合です。スチールの方が早く温まります。
これは、物質によって比熱が異なるからです。比熱とは1gあたりの物質の温度を1度あげるのに必要な熱量のことです。つまり、比熱とは、物質1gあたりの熱容量ということになります。
比熱は大きくなるほど、温まりにくく、さめにくい性質をもっています。
C=mc (C:熱容量[J/K 又は cal/K] m:質量[g] c:比熱[J/g・K 又は cal/g・K])
物質の比熱[J/g・K]
物質 | 温度[℃] | 比熱 |
水 | 0 | 4.217 |
氷 | -1 | 2.100 |
アルミニウム | 0 | 0.880 |
鉄 | 0 | 0.435 |
銅 | 0 | 0.379 |
黄銅 | 0 | 0.387 |
銀 | 0 | 0.235 |
水銀 | 0 | 0.140 |
鉛 | 0 | 0.129 |
木材 | 20 | 1.250 |
ポリエチレン | 20 | 2.230 |
ガラス | 10〜50 | 0.670 |
参考文献
大塚徳勝著:「そこが知りたい物理学」共立出版(株) 1999年
小暮陽三著:「ゼロから学ぶ熱力学」 講談社 2001年
川村 清著:「基礎物理学シリーズ 熱学」(株)東京教学社 1997年
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