鏡と白い物との違い
太陽光がいろんな色の光の集まりだということは、プリズムの実験からよく分かります。 赤い物体が赤く見えるのは、赤い光を主に反射し、他の色は吸収してしまうからです。それと同じように、白い物体というのは、すべての色の光を反射しているから白く見えるのです。
あらら、ここで不思議なことに気が付きませんか?「鏡」というものも、すべての光を反射しているではありませんか!?白い物体も、鏡も、すべての光を反射している。それなのに、なぜこのように見え方に違いがあるのだろう??
簡単に言うと、白い物の表面では「乱反射」が起こり、鏡などの表面では光がそのまま反射しているのです。「乱反射」とは、表面の凹凸により光がいろんな方向に散乱されることを言います。いくら滑らかに見える物の表面でも、顕微鏡で拡大してみると細かい凹凸があるものがほとんどです。
鏡は透明ガラスを原料としています。ガラスを用いると滑らかで平らな境界面を得られるからです。そして、ガラスの一方の面にギンを沈着させ、すべての光を反射できるようにしています。この鏡面反射は、境界面の凹凸が光の波長380から770nmに比べて十分小さい時に起こります。
参考文献
「
物理なぜなぜ事典(2)
」 江沢 洋:著 (出版:日本評論社)